バスケのみかた

バスケットボールを様々な視点で紹介します

バスケットボールのポジション

バスケットボールのポジションのイメージ

バスケットボールは5対5で行う球技。他の球技に比べると狭いコートでプレイします。野球やサッカーほど明確にコートポジションが明確ではないですが、バスケットボールもポジションがあります。ポジションは技術(スキル)・身体能力などを考慮して決めて、各ポジションの適正に合わせた練習を行います。実際のゲームではポジションごとに役割を決め、チームの勝利に向かってそれぞれがファイトします。

ではバスケットボールの主なポジションを紹介します。

ポイントガード]ゲームをコントロールする司令塔

サッカーでいえばミッドフィルダー、野球でいうとキャッチャー。どんなスポーツにもゲームをコントロールするポジションが、バスケットボールは「ポイントガード(略:PG)」です。主にボールを運び、点を取る選手にボールを託すポジションのポイントガードはコート内のヘッドコーチともいわれています。つまりゲームをコントロールする知能と判断力を求められます。

コントロールしなければいけないことは大変多くあります。時間、得点、リズム、ムード…ヘッドコーチの指示をコートで表現するための舵取りも行います。ゲームへの理解度は大変重要で、残り時間がなくなればなくなるほど、コート内の統率を取りチームが目指すべきゲームの方向性を明確にしてまとめなければいけません。スキルとしてはドリブル・パスなどの技術が高い方が良いです。またゲームをコントロールする上でコートを動き回る必要があるため俊敏性は高い方がいいでしょう。そのため背はあまり高くない選手がポイントガードを任されることが多いようです。

 代表的なポイントガード選手

シューティングガード]いついかなる時もポイントにつなげる得点職人

歴代のスーパースターに多いポジションが「シューティングガード(略:SG)」。バスケの神様マイケル ジョーダン、ブラックマンバことコービー ブライアント、日本でも人気だったアレン アイバーソンなど、いわゆる点取り屋が多いのがこのポジションです。ポイントガードと違い自由度がかなり高く、点を取ることに対しての仕事量はかなり高いです。スリーポイントシュートが得意な選手が任されるのもこのポジションです。

一試合、チームでだいたい70点~80点くらい(NBAは100点前後)とります。人数でいえば10人程度が出場するので、単純計算でひとり10点弱は取らなければいけません。しかしシューティングガードに任されるのは常に10点以上、選手によっては20点近く取ることを計算されています。つまりひとの倍以上シュートを打たなければならず、運動量は多いです。そしてメンタルも強くなければいけません。何本かシュートが外れたくらいで凹んでいる余裕はありません。いつだって得点を託され、結果を出すためにチャレンジするのです。なの、シュートまでのバリエーションが豊富で、相手を置いていくような俊敏性が求められます。また誰にも真似できないような秀でたスキルを持っているといいでしょう。あと時間帯によってはポイントガードを任される場合もあるのでドリブル・パスの能力が高いとなお使われます。

 代表的なシューティングガード選手

  • マイケル ジョーダン(NBA
  • コービー ブライアント(NBA
  • ジェームス ハーデン(NBA
  • 渡邊雄太NBA
  • 田中 大貴(Bリーグ

スモールフォワード]必要なのはゲームを支配する圧倒的バスケ力

バスケットボールの醍醐味である、高く・早く・強いプレーをすべて求められるが「スモールフォワード(略:SF)」。シューティングガードようなスキルとのちに紹介するパワーフォワードのような力強さを併せ持つような選手が任されるポジションです。身体能力が高い選手が選ばれる、エース的なポジションのため、どのカテゴリーでもやりたいと手を上げる人気のポジションでもあります。そのためドリブルやシュートが得意というのは当たり前で、リバウンドに飛び込む体の強さも必要。コートのバランス的には真ん中あたりを行き来しますので、一番走る量が多いポジションとなります。

点を取らなければいけないという意味ではシューティングガードと同じ。場合によってはそれ以上の点数を求められる。しかしシューティングガードとの違いはよりゴールに近いプレーが多いこともあるので、スキルの幅はかなり広くなければならない。ドリブル、シュートスキルのみならずポストプレーも身についていなければならない。スモールフォワードの選手でディフェンス力があるとかなりチームは引き締まります。

 

代表的なスモールフォワード選手

  • レブロン ジェームズ(NBA
  • ケビン デュラント(NBA
  • カワイ レナード(NBA
  • 馬場 雄大(Gリーグ)

パワーフォワード]求められるレベルは高いがもっとも地味な役

読んで字のごとく。攻撃的でパワーを持ち合わせる選手がつくポジション「パワーフォワード(略:PF)」。いままでの3ポジションに比べるとオフェンス力よりディフェンス力が求められます。ゲームの中では地味で目立たない動きが多く、決してエースと呼ばれる選手ではなく、常にチームのために体を張って戦う、縁の下の力持ちのような選手です。目立たない動きというのは、何度もスクリーをかけに行く、ドライブで飛び込んできた相手選手をフォローする、常にリバウンドに参加するなど…本当に地味です。

何度も地味と書いてしまいましたが、それだけ「通」なポジションです。パワーフォワードが優秀なチーム、特にディフェンス面で重宝している場合、そのチームはきっとリズムが良く、安定したチームのはず。それはパワーフォワードの献身的な動き、フォローやリバウンド参加により、崩れが少なくなります。これは本当に目立たないですが、大事なポイントです。代表的な選手に、NBA ゴールデンステイト ウォリアーズのドレイモンド グリーンがいます。ドレイモンドはディフェンスで相手チームのフォーメーションを把握し、ゴール下に陣取り、先回りしてチームメイトの動きを指示します。そして時にチームメイトがミスをして抜かれた場合にも、全力でフォローに走ります。決して背は高いといえませんが、体は大変強くメンタルも強い。いつもハッスルする姿は大変心強いです。

 代表的なパワーフォワード選手

[センター]絶滅危惧種!? 時代の変化についていけるか

1990年代ごろまでは確実に花形ポジションだった「センター(略:C)」。スラムダンクの赤木のポジションです。スリーポイントが全盛になり、スピードと効率が重要視されている現代バスケにおいては、その頃に比べると少し日陰になっているかな、というところは否めません。しかし、今も昔もゲームを左右するポジションです。それはリングの近くを守る門番としての役割があるからです。ディフェンスの要「リバウンド」「ブロック」はセンターのお家芸。近年は「ランニングができる」「スリーポイントが打てる」などより高度な技術が求められている、大変難しいポジションです。

上にも書きましたが、ディフェンスの要「リバウンド」「ブロック」を支配することが求められます。やはり身長は大きい方が良いかと思います。NBAであれば211cm(7フッター)以上、Bリーグであれば210cm前後はほしいところ。そして今ではスリーポイントスキルやドリブルスキル、またパススキルまで求められています。ひと昔前にいためちゃくちゃでかいけど走れない、ダンク以外できない…そんな選手は効率的に悪い部分があるので好まれない傾向があります。今一番変化を求められているポジションといえます。

 代表的なセンター選手

  • ティム ダンカン(NBA
  • ラマーカス オルドリッジ(NBA
  • ニコラ ヨキッチ(NBA
  • アキーム オラジュワン(NBA
  • 竹内譲次Bリーグ

現代的な解釈が広がり、ポジションレスの時代へ

シューティングガードポイントガードとしてゲームを動かしたり(得点能力が上がる)、パワーフォワードがアウトサイドからシュートを打ったり(ディフェンス力が期待でき得点能力が上がる)、センターがハイポストからゲームを組み立てたりと本当に多彩な選手が増えてきました。これはバスケットボールの進化、ルールの改編から生まれてきた現象といっても過言ではありません。チームスタッフの人数が増え、戦術が多岐にわたり、遂行力の向上から意表をついた戦術が増えてきた流れだと思います。

センターの代表選手でピックアップしたニコラ ヨキッチは2m13cmでセルビア出身のビッグマンです。ヨキッチの特徴はハイポストからゲームを展開できるパス能力にあります。2019-2020 平均アシスト(3月時点)は6.9。同ポジションのラマーカス オルドリッジは2.4。とずば抜けて高い数字です。所属チームのデンバーナゲッツ内でもチームトップの平均アシスト数です。これは完全にヨキッチを中心にゲームを組み立てるという「意表をついた戦術」を採用した結果でしょう。そんなヨキッチのことをポイントセンターと呼んだりもします。

つまり、小さい頃から体が大きいからといってドリブルやパスの練習を行わずにポストプレーばかり練習するのではなく、みんなと一緒にドリブルやパスの練習をするべきで、アウトサイドシュートを身につけるべきなのです。それは大人になっても続けるべきで、「体が大きいからセンター」は死語になりつつあるのです。